今回も小菅小学校の先生方にインタビューをしながら，小菅村だからこそできる学校教育をまとめいきたいと思います。
①小菅村の自然を生かした教育
授業の一環で多摩川の源流を歩く源流体験を行います
何と言っても小菅村の魅力と言ったら大自然に囲まれた自然豊かな環境であると思います。小菅小学校では小菅村の環境を生かし、地域の山や滝などへ毎年遠足に行くほか、日常の生活科や理科・社会でも目の前にある自然を五感で感じ取れる体験を多く行っているそうです。
小菅村は安心して、校外学習ができる地域であり、地域の方々にも助けられ、天気や時間の都合がつくときに校外活動を行うことができるそうです。
田植え体験！育ったお米は秋の給食で食べます
また、多摩源流大学やNPO法人多摩源流こすげの協力の元、毎年５年生は稲作体験で米作りを経験し、３・４年生は源流体験で川の流れの強さや水のありがたみを感じられる経験はとてもありがたいとのことでした。
小菅小学校のほとんどの先生方は村の教職員住宅に住んでいます。先生方も、自然や地域から得た貴重な体験を、日々の教育活動につなげていけるようにしていきたいと語ってくれました。
②地域の伝統行事の継承
体育祭での大菩薩御光太鼓の演奏
小菅村では大菩薩御光太鼓が伝統として村内の有志らによって演奏されており、毎年村内のイベントをはじめ、他地域でのコンサートやイベントでの演奏を行ってきています。小菅小学校でも、昭和61年より、村から移管という形で継承され、現在村の成人式、多摩源流まつり、学校での体育祭やすげのこまつり、そして姉妹都市である狛江市のコンサートで披露しています。
指導には村の大菩薩御光太鼓打ち手会の方々が学校にきてくれ、小菅村が太鼓を行った経緯、小学生が演奏することの意義など指導の中で話してもらうことで、子ども達は自信と誇りをもって地域の伝統の継承と地域愛をもって取り組むことが出来ているそうです。打ち手会に入って大人とともに活動する子ども達も出るなど、地域に必要不可欠な人材育成にもつながっているのではと思います。
③地域と一体でおこなう行事
小菅小の最も大きな行事「すげのこまつり」
小菅小学校では地域と関わり合いながら行われる行事が多く存在するそうですが、中でも毎年9月に児童会最大行事である「すげのこまつり」が最も大きな行事だそうです。2学期が始まると子ども達は、村内の高齢者に招待状を書き、当日学校に来てもらえるように配布します。
地域の人が集まる「すげのこまつり」
今年9月19日（土）に行われた「すげのこまつり」には高齢者や地域の方など１５５人が学校に訪れたそうです。子ども達はそれぞれの学年が授業で学んだことを生かしたお店を出します。日頃から地域で、またゲストティーチャーとして授業や太鼓でお世話になったお客さんに対し、一生懸命おもてなしを行います。来場者からは、「子ども達の太鼓が上手にできていて感動した」、「家族で楽しませてもらった」、「あたたかい雰囲気のとてもよいまつりだった」など、多くの感想が寄せられたそうです。
子ども達は毎年まつりを手伝いに来てくれる東京学芸大学の学生との交流も深め、とても充実感に溢れた時を過ごせているとのことです。地域と一体となって、交流・連携をより深めていく『すげのこまつり』を、今後も地域とともに歩みながら継続して実施していくことになるかと思います。
④小中連携の取り組み
小中合同体育祭
現在我が国の教育課題として、中一ギャップ解消が大きく挙げられています。中一ギャップとは小学生が小学校を卒業して、中学校での学習や生活環境の違いによって、心理的や文化的に起こるショックです。
小菅小学校では、小菅中学校と合同で体育祭、季節給食、音楽祭など年間いくつもの行事を行ったり、中学校の先生が小学校に来て、中学校のスタイルでの学習経験を行ったりするそうです。また、6年生は、中学校に行って中学生と授業を受けたり、給食を食べたりする機会を持つなどして、中一ギャップ解消を図っており、実際に中一ギャップとは無縁な状態であるといいます。
先生方も、中学校が近隣にあることからも、互いに行き来し、授業相談や児童・生徒理解に日々励んでいるとのことです。小菅村の学校教育では、全国に先駆けて小中連携ができていると言っても過言ではないと思います。
次回は小菅小学校と地域や教育委員会との関わり、そして小菅の子どもたちについてお伝えします。小学校の日常は下記のブログで発信していますので、ぜひご覧下さい！
■小菅小学校ブログ
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