1.研修概要
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日程:2024年11月26日(水)〜27日(木)
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場所:神奈川県葉山町周辺
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テーマ:シェアリングエコノミー/DAO/参加型DIYによる空き家再生と関係人口創出
本研修は、葉山町において実際に進行している
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古民家再生
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DAO型バー
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コレクティブハウス
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参加型DIY・リトリート拠点開発
などの現場を巡りながら学ぶ実地研修として実施されました。
2.研修行程と主な内容
【1日目】11月26日(水)
① 竹林にある築100年古民家の視察
ガイド:上田氏(株式会社ガイアックス代表)
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世界各国からの出資により約4,000万円の資金調達を実現
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山奥に単独で存在する古民家でありながら、
「物件そのもの」ではなく「思想・物語・関係性」 に共感が集まった事例 -
シェアリングエコノミー/DAOの考え方をベースにした再生モデル
→ 資金調達=信用と共感の可視化である点が強く印象に残りました。
② 地域全体の視察・解説
(一色海岸、マリーナ、テントサウナ等)
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海・自然・遊び・暮らしが一体化した地域構造
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「観光地」ではなく「日常に人が入り込む場」として設計されている
③ DAO型バー「テルセルピーソ」視察
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株主200名以上
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株主のみが利用できる“会員制バー”
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バーを媒介に新規事業・コラボレーションが生まれている
→ 場を共有することで、自然に関係と経済が循環する仕組み
【2日目】11月27日(木)
①木古庭・築50年古民家(参加型DIY再生)
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半年間でDIY関係人口150人を創出
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クラウドファンディング → DIY参加 → 宿泊体験
という「段階的な関係構築」
→【お客さん】→【参加者】→【担い手】へと変化していくプロセスが明確だった。
② 星山リトリート拠点開発現場
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自然環境を活かしたリトリート×ソーシャルビジネス
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多様な背景を持つ人材が関わる共創型プロジェクト
③ 振り返り(葉山コレクティブハウス)
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住まい・仕事・遊び・学びが重なる生活実験の場
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個人の暮らしが、そのまま地域活動になっている点が特徴
3.DAOって何?
DAO=みんなで運営する組織の形です。
正式には
Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)
と言います。
まず一言でいうと
社長や役所が決めるのではなく、
参加している人たちがルールと合意で動かす組織
です。
ふつうの組織との違い
① 会社・団体
社長・理事・役場が決定権を持つ
お金・情報・権限が上に集まる
参加者は「使う人」「働く人」になりやすい
② DAO
ルールは最初にみんなで決める
決定は投票や合意で行う
参加者は「使う人」であり「運営側」でもある
DAOの一番大事な考え方
「信頼」ではなく「仕組み」で動く
誰かを信用しすぎない
でも、誰でも参加できる
決まりごとが最初から見える
👉 だから、知らない人同士でも協力しやすい。
4.所感
本研修では、古民家再生、宿泊施設、参加型DIY、DAO型の場づくりなど、葉山町で実際に進行している複数の取り組みを、現地視察と説明を通して学びました。
研修を通して一貫して感じたのは、シェアリングエコノミーとは単に「モノや場所を共有する仕組み」ではなく、人と人との関係性をどのように設計するかという考え方である、という点です。
例えば、DAO型バー「テルセルピーソ」では、200人を超える株主が関わり、株主のみが利用できる会員制のバーとして運営されています。そこでは、飲食の提供自体が目的というよりも、場を共有することで人が出会い、関係が生まれ、結果として新たな事業や協働が生まれていく構造がつくられていました。
また、参加型DIYによる古民家再生の現場では、建物を完成させること以上に、「再生のプロセスを開くこと」が重視されていました。クラウドファンディングをきっかけに人が集い、DIYへの参加や宿泊体験を通して、関係人口が継続的に増えていく仕組みが実践されています。
これらの事例に共通しているのは、利用者を単なる「お客さん」として位置づけず、関わる人が徐々に役割を持ち、参加者・担い手へと移行していく設計がなされている点です。
今回の研修で得た学びは、現在小菅村で取り組んでいる会員制滞在拠点「一宿一助のやど【結】」や、源流大学の活動とも多くの共通点があると感じました。
所有や効率を重視するのではなく、未完成な場やプロセスを共有しながら関係を育てていくこと。葉山での実践は、これからの地域づくりや滞在型事業を考える上で、多くの示唆を与えてくれるものでした。




