2020年までもう少し、先日の雪が残り冬らしい寒さです。
そんな小菅村は今年の6月、甲武信ユネスコエコパークに登録されました。
それに伴い開催された甲武信ユネスコエコパーク登録記念講演会に行ってきました。
講演会の中でNPO法人多摩源流こすげの取り組みを事例発表させていただいたので、その様子をご紹介したいと思います!
ユネスコエコパークとは
ユネスコエコパークはユネスコ人間と生物圏計画の枠組みに基づき、ユネスコによって国際的に認定された地域のことです。
ユネスコエコパークという名前は日本国内での呼称であり、国際的にはBiosphere Reserve通称BRと呼ばれるそうです。
ユネスコ世界遺産が自然を守ることを原則としている一方、ユネスコエコパークは生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的とする取り組みです。
簡単に言うと人の手を入れることによって維持していくものがユネスコエコパークです。
世界では122ヵ国686地域。(2018年7月現在)
日本では10地域目の登録となりました。
ユネスコエコパークの仕組み
ユネスコエコパークには以下の3つの機能があります
・保存機能(生物多様性の保存)
人間の干渉を含む生物地理学的区域を代表する生態系を含み、生物多様性の
保全上重要な地域であること。
・学術的研究支援
持続可能な発展のための調査や研究、教育・研修の場を提供していること。
・経済と社会の発展
自然環境の保全と調和した持続可能な発展の国内外モデルとなりうる取り組みが
行われていること。
また、この機能を果たすため3つの地域が設定されています。
・核心地域
厳格に保護、長期的に保全
・緩衝地域
核心地域保護のための緩衝的地域、教育、研修、エコツーリズム
・移行地域
人が生活し、自然と調和した持続可能な発展を実現する地域
それぞれの機能が独立することなく、相互に強化する関係になっています。
甲武信ユネスコパーク
甲武信ユネスコエコパークは甲武信ヶ岳を中心としたエリアで、山梨県・埼玉県・長野県・東京都の4都県にわたり総面積は190,603haとなっています。
特徴としては
・日本百名山に挙げられる山々が連なる奥秩父主稜を中心に荒川や多摩川等の源流部及びその周辺をエリアとしていること。
・希少なチョウや豊富なカエデ類など、生物多様性に富む貴重な生態系が広く保全されていること。
・民俗芸能が保全・伝承され、山岳・神社信仰にまつわる多様な文化が息づいていること。
・山肌を覆う森林は首都圏や周辺地域の水源として古くから守られ、上下流の水のつながりを意識して森づくりや自然保護などに取り組む団体・企業・地域住民が多いこと。
があげられます。
小菅村は村内のほぼ全域が3つの地域のいずれかに含まれ、主な活動として多摩川源流大学やきおび編みの活動が紹介されています。
小菅村事例紹介
NPO法人多摩源流こすげとして行っている活動の多くはユネスコエコパークの3つの機能に関わるものが多くありました。
主な活動でもあげた多摩川源流大学。学生たちの活動は持続可能な発展のための教育や研究の場となっています。
また畑での作業は景観を守るとともに、生物多様性を守る活動です。
他にも小菅村は多摩川の源流にあたり、水に関する活動も盛んです。
水のつながりを意識した間伐などの森の管理、大人気のプログラムである源流体験も子供たちに水の大切さを教える教育の場となっています。
ユネスコエコパークに登録されたことは嬉しいことですが、これらの活動が衰退し3つの機能がなされていないと判断され登録が抹消されたケースもあるそうです。
これからもより一層の努力を重ねて、豊かな自然環境を守っていけるようにしたい思います。
甲武信ユネスコエコパークについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
https://www.pref.yamanashi.jp/midori/kobushi_biosphere_reserves.html