「ブラタモリ」してみたいと思ったことありませんか?
「ブラタモリ」といえば、タモリさんが日本全国のまちを専門家と一緒に歩きながら、特徴的な自然や地形、街並みなどを紹介する番組です。
通常の旅番組とは違い、地質や地理的な専門知識が盛り込まれ、説明する専門家の出すクイズにタモリさんが先に答えを言っちゃう場面も見どころですね。
自分はそのタモリさんより先に答えたくてしょうがありませんが、やっぱりタモリさんが答えちゃって毎回「アハ!」体験をしています。
でも・・・
地域の歴史や地理に詳しい人と一緒に歩くなんて、なかなか出来ないし、お願いするのもどうしたらいいか分からないですよね。
今回は、そんなブラタモリ風に街を歩いてみたい人にとって夢を叶えてくれるイベント
「第6回多摩川流域歴史セミナー~八王子の歴史を巡る~」に参加してきたので、ご紹介したいと思います。
流域歴史セミナーとは
市民・行政・学識経験者・河川管理者で構成する「流域懇談会」が主催して、多摩川流域の歴史を紐解くセミナーです。
・多摩川って、いつから「たまがわ」って言われるようになったの?
・縄文時代の多摩川ってどんなところだった?
そんな、多摩川を中心において歴史を学ぶことを年3回ほど実施しています。
詳細については、こちらをご覧ください!今までの開催報告やこれからの予定も掲載しています。
■多摩川流域セミナーの概要(国土交通省京浜河川事務所HP内)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000113867.pdf
八王子を街歩き
開催日の1週間前に大雪をもたらした影響で、当日も若干の積雪が残っていましたが、
集合場所の西八王子駅前には、雪をも解かすほど熱い想いをもった多摩川の歴史好きな方々が大勢あつまっていました。
主催者あいさつのあと、2班に分かれ八王子地史に詳しい方と共に、出発です。
参加者には、当日のルートや訪れる史跡や河川事業、その町の歴史などが書かれたパンフレットが配布されます。
パンフレットというより、小冊子というくらいの膨大なデータが詰め込まれています。
これを貰えるのは、参加した方のみです。
江戸時代の街並み、地割りの名残を探す
寛政元年(1789年)の八王子市千人町の地図と、現在の街並みをよく見ると、江戸時代の時と同じような街道沿いは狭く、奥に長い作りになっていることがわかります。
このように、街道沿いの街並みは近代的な建物になりつつも、江戸時代の名残を残しているところが今でもあります。
ほぼ同じ場所をGoogleマップで参照しています。航空写真にして、ズームにすると・・・・たしかに、縦長?わかります?
南浅川の氾濫から街を守る
江戸時代初期の八王子代官・大久保長安は、浅川の氾濫から街をまもるために「石見土手」を築きました。
その一部が60mほど宗格院の境内に残っております。
が、当日は雪で埋もれていたので見学できず。。。
(当日配布資料中の写真をご紹介します)
現在の南浅川は、立派な堤防が完成し、魚が遡上できるよう魚道を設置したり、河川敷で遊べるように草木を伐採したり、川に親しめる空間づくりを東京都で実施しているそうです。
山梨との縁「武田家家臣大久保長安と武田松姫」
産千代稲荷神社(うぶちよいなりじんじゃ)
武田家滅亡とともに、徳川家康に召し使えられた大久保長安は、石見土手や甲州街道の整備、市の開催など八王子のまちづくりの発展に大きく寄与しました。
また、石見銀山や佐渡金山の開発にも力を発揮するなど、江戸幕府創成期の有力者でした。大久保長安の名残を残すものは、陣屋跡が現在は産千代稲荷神社になっています。こんなに多くの功績を残した長安でしたが、没後「生前の不正」ということで遺児、関係者も処罰されています。
ここのイケメン宮司さんが、大久保長安について詳しく説明してくださいました。
松姫様の信松院
小菅村にある「松姫峠」は、武田信玄の四娘・松姫が、武田家滅亡の際、山梨県から東京都八王子市恩方にへ逃げる際に、現松姫峠を通り向かったのではないかと伝えられ、峠に名前が付けられました。(小菅村郷土小誌より)
歴史に詳しい方からすると、可能性は低いそうですが・・・
実際には、文書も記録も残っておらず通ったか通らなかったかは、確実なことは言えないそうですが、この様な言い伝えや歴史が残っており、不明な部分が多いからこそ、解明したい気分になりますね。
そんな、松姫様が逃げ延びた先の八王子で心源院ト山(ぼくざん)和尚に師事し、信松尼となり上野町に庵を結び、現在の信松院となっています。
信松院では、松姫様ゆらいの文化財や武田24将図などを拝見することができました。
恐れ多くて写真は撮影してないので、ぜひ信松院で実物の松姫坐像をご覧ください。
(お寺ですが、おしゃれなカフェが併設されています!)
信松院のホームページ
おわりに、
いかがでしたでしょうか、ちょっとブラタモリ風なイベントですよね?
歩いている土地の成り立ちを知りながら、名残を探したり当時の話を聞いたりすると、その土地の歴史や関係性により興味関心が広がっていきます。
自分はもともと理系男子なので、ほぼ歴史の興味はゼロだったのですが、このように自分の住んでいる町と関りある人物や、今住んでいる土地がどのようにして成り立ったのか、まさに「自分ごと」としてみると、歴史もすごい面白くなることを感じました。
すべての歴史が積み重なって現在につながっている。
まさに歴史を肌で感じる瞬間です。
さて、今回のような企画内容について、もっと分かりやすく資料、写真付きで、国土交通省京浜河川事務所のホームぺージで公開されます(2月14日時点では未公開)。
このブログで少しでも興味を持ってくれた方はぜひご覧ください。歴史セミナー1回目からのバックナンバーもあります。
■国土交通省京浜河川事務所
http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin_index116.html
次回は、
「江戸時代にもあったライフシフト」
「キングコング西野氏より先にクラウドファンディングで絵巻物出版」
上記のテーマを絡めて、江戸時代の多摩川の河口から源流までを描いた「調布玉川惣画図」をご紹介したいと思います。
近日中にアップしたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。