8月16日から3泊4日で東京農業大学短期学部による食農体験が行われた。
毎年この時期に行われる食と農について本物を学ぶ農大の実習プラグラムである。
景観整備
一日目は3班に分かれて道の駅こすげ・小菅の湯周辺の景観整備を行った。
・道の駅駐車場周りのアジサイの選定
・物産館横にはある畑の除草
・多摩川源流大学が借りている畑の除草
の3つの班に分かれた。
アジサイ班は花の時期が終わって伸びきっているアジサイの選定を行った。
花を切る人、切った花を集める人、箒で掃除をする人に分かれスムーズに事を進めていく。
みるみるうちにアジサイがさっぱりしてきて、綺麗になった駐車を見て学生は満足そうだった。
他の2つの班は畑に生えた雑草を取り除いていく。一人でやると大変なことも大勢でやるとあっという間なのだ。農業をやっているは良くいう「畑に雑草が伸びきっているとみっともない」と。身近なことでいうと家の玄関周りが散らかっているとお客さんからしたら不快なものと一緒なのだ。野菜の栄養が雑草に取れてしまうし、見栄えが悪いので雑草とりは大切なことなのだ。
その後温泉に入り一日目の感想を学生に聞くとこう答えた。
「温泉あとのコーヒー牛乳は最高で二本飲んだ!」と。
景観整備をしたあとの温泉で心も身体もリフレッシュしたのだろう!
2日目 食文化体験
松姫峠の散策。鹿や猪の痕跡やキノコ、森の王様ブナやカエデを見ながら森を歩いていく。
こういった水源涵養林があるおかげ、東京都の飲み水が確保できているのだ!
森はリフレッシュすることだけではなく、
・降った雨水を貯め
・土砂崩れ防止をし
・水を浄化する
といった3つの機能で人が生きる源を作っているのだ!
昼はこんにゃく作り・箸作り・ニジマスのさばきを行った。
こんにゃくは水はけの良い所と夏が涼しいところが適している。
小菅村は傾斜や気候がこんにゃく作りに適しているのでずっと栽培が行われてきた。
小菅村はスーパーで売っているこんにゃくとは異なり、ありのままの素材で楽しめるさしみこんにゃくを提供している。
山のフグとも言われていて、カロリーゼロだし、さっぱりしていて美味しい、街から来た人からすれば感じたことのない絶品だ!
こんにゃくを丸くするのに苦戦しながら、ぬるぬる感や自分だけのMYこんにゃくづくりに学生達は楽しんでいました。
その日と夕食にみんなで作った刺身こんにゃくが出されて、ある女学生は「やばーい!美味しんだけど」と喜んでいた。
箸づくり
江戸時代には小菅村で作った箸が幕府に献上されていた
昔、小菅村では、道の駅こすげある地区に住む大家が主になって箸を作り江戸幕府に納めた。
正月に江戸城に諸大名が登城した時のお祝いのお膳には必ずこすげの箸が使用されたという。そういった歴史背景から今回は箸作りを行った。
手つきが器用な人、こだわる人で体験時間はまちまちだったが、最後にはその箸に焼きペンでデザインしオリジナルの箸を作りあげた。
学生がこすげで作った箸がまた東京に戻った時にこれから使用されるのかと思うと学生と箸の歴史ができるなと思った中村だった。
ニジマスつかみ取り~さばき
必死でニジマスを捕まえる姿は人間の本能だったのかもしれない。
ニジマスの掴みどりから体験し、自分達で掴みとった魚を捌いて、焼いた。
学生に感想を聞くと、「当たり前のことなんだけど、実感してなかった取って、捌いて食べることを経験して、改めて命の大切さを知った。」と答えた学生が多くかった。
夕食に出たニジマスの塩焼きは格物に美味しかった。
取ったニジマスは塩焼きにして美味しく頂きました
3日目 農家体験
農家体験の前に早朝に天神山散策を行った。
山城跡があり、堀切や破壊ヶ所など敵陣から守る為の策が残っていた。
早朝の山歩きで、足腰を鍛えた学生たちはそれぞれの農家さんの元へ向かっていった。
畑の草刈りをしたり、耕運機をかけたり、白菜の種巻きをしたり
薪づくりや炭焼き、ワサビ田再生など各々受け入れてくれた村内の農家さんのもと農作業を行った。
初めて農作業を経験した学生は「土を触ることに抵抗があったが、このようにして野菜が作られていることをしり、土いじりが楽しくなった」
「初めてあったのに、笑顔で優しく受け入れてくれて嬉しかった」など。農作業のことはもちろん、人の温かさを学んだ農家体験でもあった。
最終日 蕎麦打ち体験
蕎麦打ち体験。小菅の湯に隣接している蕎麦屋「小金持ち工房」の方達を講師に迎え、蕎麦打ちを行った。
粉を混ぜ、丸くなったそば粉を伸ばし切り蕎麦を作った。
蕎麦に使う薬味は前日にワサビ田再生を行った学生がもらった小菅村産の生わさびを使用。
蕎麦の切り方もマチマチで太さもバラバラだったけど、手作りの蕎麦を作ることができた。
蕎麦打ち体験の様子は動画にて配信中https://www.youtube.com/watch?v=fVBMfvgTT4g
最後は小菅村への提案発表を行った。
・登山客向けに木の名前をプレートにして配置
・移住者を増やす為にも景観にあったアパート作り
・東京にアンテナショップを作る
・農大と連携した商品開発
などなどが学生から提案された。
3泊4日で過密スケジュールではあったが、学生たちは元気で小菅村の食と農を楽しんで頂けた印象であった。
学生たちと触れ合った村民講師の皆様も笑顔であり、学生の笑顔が、パワーが長生きの秘訣なではないかと思った。
また小菅村を訪れて元気な顔を見せにきてほしいと思えた3泊4日だった。
多摩川源流大学では日本各地で輝ける人材を育成しています。
自分たちも学生に負けないように様々なことを吸収して、学生たちがまた訪れた時に「小菅村ってやっぱすごいな!」って思ってもらえるよう努めていきます。